悲しみのリフレイン--☆
私の父と母はお人好しを絵に描いたようなひとだった。
困った人に頼られるとイヤと言えない、暖かいひとだった。
今日、ある人に助けて欲しいと電話 した人に電話をガチャって切られた。
そう言えば、去年連絡欲しいって伝言していたのに連絡くれなかったなぁ…思い出したよ。
今日ガチャって切られて分かった、自分の意思であの人は連絡をくれなかったんだ。
心配して欲しいと期待した私がアホやった。
久々に会ってそんなことを期待できる人ではないと分かっていたのにね。
ただただ薄い縁なのに勝手になんだか期待した自分がむなしい。
昔、私の大切な犬が、あの人に吠え、あの人は犬を家から追い出そうとした。
幼かった私、とってもあの人がキライになった。
泣きながら、あの人の家をでて母方のおばあちゃんの家に帰った。
母はあの人に謝れと言ったが、私は絶対謝らなかった。
二度と会わなくていいとも思った。
二度とあんな奴のこと慕うもんかと思った。
家に帰ってからしばらくしてあの人から『ごめん』って電話があった。
その時あの人への大嫌いというキモチがとけた。
でも、あの頃のあの人はもういない。
わたしは小さい頃から自分の想いと相手の想いは同じだと思いこんでるフシがあり、何年経っても私が忘れていないのに実は相手は私のことなどとっくに忘れていてショックを受けたことが何度もある。
社宅でとっても仲良くていつも一緒だった幼馴染。
引っ越す時は絶対に忘れないでいようねって約束したから、私はずっと忘れないでいた。
でも、同じ高校になって再会を楽しみにしていた私に対して彼女は完全にわたしのことを忘れていた。
ひとの想いなどそんなもの。
だから、久々にあの人にとって、私は電話をガチャって切られる程度の存在だったことに強いショックを受けた。
当然なのかもしれない。
でも、私の両親はあの人ために何度も大ケンカをしながら学費の数百万の援助していた。
だから、少しのやさしさをあの人に求めた私が悪いのだ。
甘えたかった私がいけないのだ。
あの人を助けたのは両親であって私じゃないんだから。
最近は断られるのは慣れっこになっている。
でも、あの人の電話のガチャは私の胸に鋭いナイフとなって刺さった。
もう二度と電話しない。
二度と会うことはないだろう。
あの人とこんな別れ方をしなければならなかった自分にも情けない。
両親とケンカして二度会うことはないだろうと泣きながら実家を出たシーンがリフレインした。